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インフラ系ITエンジニアのメモ帳です。

書籍レビュー『舟を編む』

舟を編む

舟を編む

技術ブログらしからぬ内容ですが、一般書籍を読んだ感想を。『舟を編む』。2012年、本屋大賞第一位の作品です。とある出版社の辞書編集部で、辞書を出版するまでのお話。個人的には、辞書発売までの、編集部内部でのプロセスを知ることが出来て面白い本でした。

辞書作りもある意味でものつくりなので、ソフトウェアの開発と共通する点もあると感じて興味深かったです。具体的には次のような点。

・標準化。辞書に統一感を持たせるための、執筆要領の作成
・学生アルバイト何十名を従えての人海戦術
・理解を一意にするための、表現の工夫
・バージョンアップ。辞書を改訂する場合は、時代とともに移ろい行く言葉に対応するために、内容を見直す必要がある。
・改訂時のデグレードチェック(ある言葉を採用しなくした場合に、参照先がないなどの不整合を除く作業)
・市町村合併などの、突発対応
・営業部、製紙会社などとの調整、交渉


タイトルは硬派なのですが、内容はなかなかライトでしたね。まじめくんのような、妥協せず一つのことにじっくり取り組む登場人物はとても好感が持てます。